“芸術”と“テクノロジー” “映像”と“音楽”の共鳴 をコンセプトとしたカレイドスコープ2012が、3月11日、愛知県芸術劇場で、昼と夜の部2回に分かれて行われました。昼の部は、サウンドメディアコースが中心となり、音楽制作、立体音響を担当。音楽ビジネスコースが企画と演出を行い、それぞれの知識やアイデアを生かしあって、最先端のテクノロジーとヒューマンな発想を融合させた未来志向のアート空間の創造をめざしました。今回のテーマは「Sympathy」。Sympathyは共鳴という意味で、人間とテクノロジーと芸術の共鳴を、音楽と映像で表現します。音楽は自由な発想に基づいた独創的なものとし、映像、演出面においては形や模様、色彩など視覚的にも楽しめる内容となっています。今年の作品は、アコースティック楽器や、エレクトリック楽器とライブエレクトロニクスやプログラミングの融合した作品が、立体音響を用いた音表現で展開されていきました。
夜の部は、最先端のテクノロジーを多角的に駆使したゲスト作曲家と、名古屋芸術大学教員による作品コンサートでした。IRCAM(フランス国立音響音楽研究所)に関わってきたピエール・シャルベ(フランス)、オリヴァー・シュネラ(ドイツ)、そしてCMMAS(メキシコ電子音楽センター)のディレクターであるロドリーゴ・シーガル(メキシコ)の国際的に活躍する3名の招待作曲家による個性的な作品と、田中範康、岩本渡、伊藤美由紀の3名の本学教員による新作を、アンサンブル・ノマドのメンバーによる演奏とサウンドメディアコースによるテクニカルサポートで、日本初演、世界初演の演奏でした。エレクトロニクスと生演奏の融合により生まれる新たな音の世界を追求したユニークなプログラムとなりました。
客席を埋めた満員の聴衆から大きな拍手が送られていました。
Sympathy
DNA/中森信福、堀諭史、山田悠登、磯村輝昭、近藤一輝、日栄一真
Strange
Alien VS Alien/中村優里
Motion/太地俊介
月下香/植田匠
弦楽のための変奏曲二調/戸井晶子
AM3:16/澤田玲
オノマトペ遊び/松井拓磨
河童/江端柚月、松永麻耶、常岡千波
samsara/古川未佳
らくがき/村田恵里奈、加藤典子
光結/中森信福
陽炎の棺/三輪友香利
風車
風/永田悠
何かが来る/角野倫暁
高速移動/松永麻耶
夜明け/木村侑希奈
時の回廊/伊奈輝穂
Natura duce nunquam aberrabimus/鳥羽宏美
ホーネードー/佐野元洋、村瀬健太朗、成瀬晃一
主催: 名古屋芸術大学音楽学部音楽文化創造学科
企画: 名古屋芸術大学音楽ビジネスステージマネジメントコース
制作: 名古屋芸術大学サウンドメディアコース
演出: 名古屋芸術大学音楽療法コース
映像: 名古屋芸術大学デザイン学科メディアデザインコース
Fl. 岡本卓也/E.Gt. 澤田玲/Cb. 長坂裕美/Pf. 平野玲美/Perc. 松澤思惟、大石真理子/
Cl. 山田真実/Sax. 山下楓/Sop. 杉本知穂/Hp. 高田知子/Pf. 樋口深佐都/Og. 山下真由
音とテクノロジーの地平線を求めて
ピエール・シャルベ
Pierre Charvet |
オリヴァー・シュネラ
Oliver Schneller |
ロドリーゴ・シーガル
Rodrigo Sigal |
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リアクティブ・ギターとエレクトロアコースティック・サウンドのための「シナプシス」(名古屋初演)/ロドリーゴ・シーガル
"Sinapsis" for reactive guitar and electroacoustic sounds/Rodrigo Sigal
フルート、チェロ、ピアノとエレクトロニクスのための「イマジンド・シーナリー2〜インタープレイ3」(世界初演)/岩本渡
"Imagined Scenery 2 〜 Interplay 3" for flute, cello, piano and electronics (world premiere)/Wataru Iwamoto
弦楽三重奏とライブ・エレクトロニクス、エレクトロニクス、映像のための「宙の響」(世界初演)/伊藤美由紀
"Celestial Echo" for string trio, live electronics, electronics and video (world premiere)/Miyuki Ito
ヴィオラとエレクトロニクスのための「そして 死」(日本初演)/ピエール・シャルベ
"And Death" for viola and electronics (Japan premiere)/Pierre Charvet
弦楽三重奏と2つのスピーカー、エレクトロニクスのための「ストリング・スペース」/オリヴァー・シュネラ
"String Space" for three strings, two loudspeakers and electronics/Oliver Schneller
4人の奏者とライブエレクトロニクス、エレクトロニクスのための「スパークリング・イン・ザ・スペースU 『鎮魂の時』」(世界初演)/田中範康
Sparkling in the space II, "The Moment of Condolence" for four players, live electronics and electronics (world premiere)/Noriyasu Tanaka
アンサンブル・ノマド
Ensemble NOMAD |
主催: 名古屋芸術大学音楽学部音楽文化創造学科
演奏: Ensemble NOMAD
ギター/指揮:佐藤紀雄
フルート:木ノ脇道元
ヴァイオリン:花田和加子
ヴィオラ:甲斐史子
チェロ:松本卓似
打楽器:宮本典子
ピアノ:稲垣聡
ソプラノ:天羽明恵
音響:岡野憲右
テクニカルサポート:吉川敦、原田裕貴
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